アウト成功率が高いのはどっち?【スプリット派 vs ダイレクト派】
スティールダーツの上がりの場面、奇数を2倍にした点数の攻め方には2種類あります。
- スプリット派(一旦アレンジで整える)
- ダイレクト派(そのままダブルを狙う)
例えば残り6点の場面、スプリット派はS2でアレンジしてからD2を狙う攻め方、ダイレクト派は直接D3を狙う攻め方です。
どちらの攻め方にするべきか、感覚ではなく確率で考えたことはありますでしょうか。
このページでは、数学的にアウト成功率を検証します。
アウト成功率計算の前提
計算するにあたり以下の前提で考えます。
- ダーツは3本持ち
- 3本以内でアウトできれば何本目かに関わらずアウト成功として扱う
- ダブルを狙って外した場合、シングルに外す確率とアウトボードに外す確率は同じ
- シングルを狙って外した場合、ダブルに外す確率とトリプルに外す確率は同じ
- 狙ったナンバーの隣のナンバーへ外すことは考慮外
狙ったナンバーの隣のナンバーに外すことを考慮外にすることには異論があると思いますが、例えば残り6点の場面であればD3を狙うにしろS2を狙うにしろ両隣の数字に外せばバーストするので、スプリット派とダイレクト派の優劣比較には影響しません。したがって、本検証では隣のナンバーに外すことは考慮外とします。
ダーツを狙う場所と入るか外すかの確率変数は以下のようにおきます。
- シングルを狙ってシングルに入る確率:So
- シングルを狙ってダブルに外す確率:Sx
- シングルを狙ってトリプルに外す確率:Sx
- ダブルを狙ってダブルに入る確率:Do
- ダブルを狙ってシングルに外す確率:Dx
- ダブルを狙ってアウトボードに外す確率:Dx
前提の部分に記載した通り、シングルを狙ってダブルに外す確率とトリプルに外す確率は同じと仮定したので、どちらもSxと同じ変数で表しています。Dxも同じようにダブルを狙ってシングルに外す確率とアウトボードに外す確率は同じと仮定したので、どちらもDxと同じ変数で表しています。
また、隣のナンバーに外すことは考慮しないので以下の式が成り立ちます。
- So + Sx + Sx = 1
- Do + Dx + Dx = 1
これらの前提と確率変数を用いて、残り6点の場合を例にアウト成功率を計算します。
スプリット派のアウト成功率
まずはスプリット派で発生しうるアウト成功、アウト失敗のパターンを列挙します。
| 1本目 | 2本目 | 3本目 | アウト成否 | 確率 |
|---|---|---|---|---|
| S2 | S2 | S1 | 失敗 | SoDxDx |
| S2 | S2 | D1 | 成功 | SoDxDo |
| S2 | S2 | OB | 失敗 | SoDxDx |
| S2 | D2 | – | 成功 | SoDo |
| S2 | OB | S2 | 失敗 | SoDxDx |
| S2 | OB | D2 | 成功 | SoDxDo |
| S2 | OB | OB | 失敗 | SoDxDx |
| T2 | – | – | 失敗 | Sx |
| D2 | S1 | – | 失敗 | SxDx |
| D2 | D1 | – | 成功 | SxDo |
| D2 | OB | S1 | 失敗 | SxDxDx |
| D2 | OB | D1 | 成功 | SxDxDo |
| D2 | OB | OB | 失敗 | SxDxDx |
表中のOBはアウトボードの略です。
表からアウト成功の行の確率を合算し、SoとDoにそれぞれ具体的な数字を当てはめることで、スプリット派のアウト成功率が計算できます。
下の画像はSoとDoを0.00 ~ 1.00の範囲で0.05刻みで変化させた際のアウト成功率のヒートマップです。数値は小数点3桁で四捨五入しています。
緑色が濃いほどアウト成功率が高いことを表しています。

具体例として、私の実力はダブル成功率が約20%、シングル成功率が約75%なので、Do = 0.20, So = 0.75の部分を見ると0.31となっています。つまり私が残り6点をS2から狙った場合のアウト成功率は約31%ということです。
左下側が空白なのはDoがSoより大きい(シングルに入れるよりダブルに入れる確率のほうが高い)現実にはあり得ない部分だからです。
ダイレクト派のアウト成功率
次にダイレクト派で発生しうるアウト成功、アウト失敗のパターンを列挙します。
| 1本目 | 2本目 | 3本目 | アウト成否 | 確率 |
|---|---|---|---|---|
| S3 | S1 | S1 | 失敗 | DxSoDx |
| S3 | S1 | D1 | 成功 | DxSoDo |
| S3 | S1 | OB | 失敗 | DxSoDx |
| S3 | D1 | – | 失敗 | DxSx |
| S3 | T1 | – | 失敗 | DxSx |
| D3 | – | – | 成功 | Do |
| OB | S3 | – | 失敗 | DxDx |
| OB | D3 | – | 成功 | DxDo |
| OB | OB | S3 | 失敗 | DxDxDx |
| OB | OB | D3 | 成功 | DxDxDo |
| OB | OB | OB | 失敗 | DxDxDx |
アウト成功率のヒートマップは以下のようになります。

私の実力ではDo = 0.20, So = 0.75の部分を見て0.37、つまり私が残り6点をD3から狙った場合のアウト成功率は約37%であることが分かります。
スプリット派とダイレクト派のアウト成功率比較
それぞれの攻め方のアウト成功率が計算できたので、その差分のヒートマップは以下のようになります。
スプリット派の方が高確率であれば赤、ダイレクト派の方が高確率であれば青で示し、差分が大きいほど色が濃くなっています。

この通り全体的に青く塗られているため、どの実力帯においてもダイレクト派の方がアウト成功率が高いことが分かりました。
消極的ダイレクト派のアウト成功率
ダイレクト派あるあるだと思うのですが、1本目D3狙ってアウトボードした場合、2本目S3に入ることを恐れて極端にアウトボード側に投げる場面があると思います。
仮に1本目S3に入った場合は2本目は必ずアウトボードすると仮定し、これを消極的ダイレクト派と呼ぶことにします。
これまでと同様に消極的ダイレクト派で発生しうるアウト成功、アウト失敗のパターンを列挙し、アウト成功率をヒートマップにすると以下のようになります。
| 1本目 | 2本目 | 3本目 | アウト成否 | 確率 |
|---|---|---|---|---|
| S3 | S1 | S1 | 失敗 | DxSoDx |
| S3 | S1 | D1 | 成功 | DxSoDo |
| S3 | S1 | OB | 失敗 | DxSoDx |
| S3 | D1 | – | 失敗 | DxSx |
| S3 | T1 | – | 失敗 | DxSx |
| D3 | – | – | 成功 | Do |
| OB | OB | S3 | 失敗 | DxDxDx |
| OB | OB | D3 | 成功 | DxDxDo |
| OB | OB | OB | 失敗 | DxDxDx |

スプリット派と消極的ダイレクト派のアウト成功率比較
スプリット派の方が高確率であれば赤、消極的ダイレクト派の方が高確率であれば青で示し、差分が大きいほど色が濃くなっています。

面白い結果になりました。Soが65%付近を境界に、左側が青、右側が赤になっています。
つまり、シングルを狙ってシングルに入る確率が65%より高いプレイヤーはスプリット派で攻めた方がアウト成功率が高く、そうでないプレイヤーは消極的ダイレクト派で攻めた方がアウト成功率が高いということです。
ダイレクト派はどの実力帯においてもスプリット派よりアウト成功率が高かったのに、シングル外しを恐れて消極的ダイレクト派になってしまうとスプリット派に追い抜かれる場合もあることが分かりました。
まとめ
スプリット派、ダイレクト派、消極的ダイレクト派と3つの攻め方でアウト成功率を計算しましたが、どの実力帯のプレーヤーにおいてもダイレクト派のアウト成功率が最も高いことが分かりました。
つまりシングル外しを恐れずに直接ダブルを狙えということです。
この検証を読んで、強気にダブルを狙うプレイヤーが増えれば嬉しいです。